日本ダービー
皐月賞で再びビゼンニシキとの対決を制し、大本命馬としてダービーに出走したシンボリルドルフですが、圧勝するかと思われていたこのレースでシンボリルドルフは思わぬ苦戦を強いられることになりました。
この年は冬季の長期的な寒波と降雪の多さから芝の発育状態が非常に悪く、春になった時点でも芝の状態が全く回復しなかったことから、その対策として大量の砂が入れられることになり、非常にパワーが求められる馬場となっていました。
結果として重馬場やダート実績のある先行馬がそのまま上位を独占する流れの中、後方からレースを進めたシンボリルドルフですが、向こう正面で岡部騎手が促しながらも反応しなかったため、場内が一時騒然となりました。
しかし、直線に入るとシンボリルドルフは自ら加速し、前を行く3頭を捻じ伏せるように捕えて2冠を達成しました。
その姿はまるでシンボリルドルフ自身が『焦らなくても勝てるよ』と言っているようで、後に岡部騎手がした『シンボリルドルフに競馬を教えてもらった』という発言に繋がってくるものでした。
菊花賞
夏に海外遠征のプランが予定されながら右肩に故障を発生したため遠征は白紙となり、一時は菊花賞にも間に合わないのではないか、といった報道もされました。
しかし陣営の必死の立て直しにより無事にステップレースであるセントライト記念に出走し、そこを圧勝したことで前人未到の『無敗の3冠馬』という称号に大本命馬として挑むことになりました。
そしてここでもシンボリルドルフはまさに正攻法と言った内容のレースを見せ、直線外から追いすがってくるゴールドウェイを抑え切って無敗の3冠を達成。
この年の菊花賞はシンボリルドルフのあまりの強さに、トライアルレースで権利を取りながらも回避を表明する馬が出てくるほどでした。
ミスターシービーとの人気対決は?
ミスターシービーとは、シンボリルドルフが3歳時のジャパンカップ、有馬記念、そして4歳時の天皇賞・春で3度対戦してますが、その全てでシンボリルドルフの方が先着しているため、純粋な競走能力といった意味ではシンボリルドルフの方が上と認めざるを得ないでしょう。
しかし、先行抜け出しの安定したレース振りのシンボリルドルフに対して、最後方からの直線一気と行ったミスターシービーの派手なレース振りは競馬ファンの心を掴み、人気面ではシンボリルドルフの上をいっていたのもまた事実でした。